牽牛子塚(けんごしづか)古墳
奈良県明日香村にある多くの古墳の中で、最も見たいと思っていたのが「牽牛子塚古墳」です。
天皇陵の象徴である八角形の古墳です。今年3月に復元されました。
飛鳥時代の女帝で天智天皇・天武天皇の母とされる第37代斉明天皇(第35代皇極天皇)の陵である可能性が高まっています。
下から見上げると宇宙と交信しているかのような未来的な古墳の形状です。それともピラミッドといった方がいいのかもしれませんが、今から1400年前に造られたとは思えない異様な姿です。墳頂部の標高は126.3m。墳丘対辺約22m、高さ約4.5mの規模です。
白色凝灰岩が多数見つかっていることから、復元写真のように装飾されていたと推定されています。
注目すべきは、石室です。大きな凝灰角礫岩をくり抜いて石棺が2つ置けるようになっています。日本書紀には、斉明天皇(皇極天皇)と娘の間人皇女(孝徳天皇の皇后)を同じ墓に葬ったと書かれており、合葬墓とみられています。
正八角形ですから、約135度の角度で、墳丘部分は3段です。
その斉明天皇と娘の間人皇女の古墳の下にも古墳が見つかっており、越塚御門古墳になります。日本書紀にはこの日、孫の大田皇女も葬ったと書かれており、陵前の墓とみられています。このことから、八角形の古墳は、やはり斉明天皇の墓に間違いないだろうというのが根拠です。その越塚御門古墳の石室の中を覗くと整備中でしたが、下の写真のようになっていました。
高松塚古墳の近くに中尾山古墳がありますが、こちらも八角形です。舒明天皇から文武天皇までの歴代天皇の陵墓は八角形といわれています。古墳の形はさまざまで面白いですね。
興味のある方は、是非明日香村へ行ってみてください。
弊社もさまざまな古墳の復元工事に携わっておりますが、興味がつきません。
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